兵庫県政新聞
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2025/9/10 定例会見『淡路夢舞台の創造的再生に向けたあり方検討中間報告の公表』

淡路夢舞台の創造的再生に向けた基本方針(中間報告+現状整理)

1.開発の経緯と背景

○淡路夢舞台は関西国際空港造成時の土取跡地に開発された

○当時、採石跡地の再生が地域課題となり兵庫県が主体となって数百億円規模の投資を実施

○2000年(平成11年)に開業。

ホテル・国際会議場を備えた大阪湾ベイエリアの交流拠点、「淡路島国際公園都市」の中核機能、阪神・淡路大震災の鎮魂と自然再生を象徴する創造的復興のシンボルとして整備された

○以後、淡路夢舞台は「環境共生」「国際交流」「文化・観光」をテーマに運営

2.現在の運営と課題

○運営主体は兵庫県企業庁が出資する株式会社夢舞台(資本金約15億円)

○ホテル、国際会議場、百段苑、温室(あわじグリーン館)などを一体管理

○国際会議場の稼働率は約20%前後と低調

→温室は老朽化に伴う大規模改修を経て2025年3月に再オープン

※長期的にみると施設利用率・集客力の改善が大きな課題

3.県の関与と財政負担

○県(企業庁)は主要株主として施設維持・運営に年間約5~7億円の支出を継続

○「地域整備事業」の一環として整備された経緯から、企業庁会計には多額の負債が残っている

→このまま県が保有・維持を続ければ今後も多額の運営コストが発生

財政健全化、民間活力導入などの改革必要

4.施設別の再生方針

○ホテル・展望テラス

・土地建物を一体で民間譲渡する方向で検討

・民間投資を促し地域活性化と財政負担軽減を両立

○国際会議場

・公の施設としての役割を一区切りとし、民間譲渡を基本に

・震災復興の象徴としての使命を終え、次の発展段階へ

○百段苑、温室(あわじグリーン館)、野外劇場、灘山緑地、交流の翼港

・民間譲渡は難しいとの意見が多く指定管理制度を継続

・公共性と環境共生の象徴を維持しつつ

民間事業者の創意工夫で利用拡大、収益向上を図る

・災害対応機能も維持

5.譲渡・公募の進行状況

○兵庫県は2025年9月11日〜22日にかけて民間譲渡・運営権設定に関する公募型プロポーザルを実施

※評価基準

・地域との連携、観光促進への貢献

・運営意欲の強さ

・公共性、文化性の維持

・従業員の雇用継続、地域雇用への波及

→雇用を守りつつ地域と協働できる民間事業者を選定する方針

6.今後の運営予定

○民間資本を導入しながら施設群を一体的に運用する体制を整備

○公民・地域連携による運営協議会を設置、持続可能な管理体制を構築

○今後の予定

・2025年度上期

関係者意見を反映し方針を具体化

・2025年度下期

「新デザイン・コンセプト」「運営方針」策定

・2026年度以降

新体制(譲渡・運営権設定)に移行予定

7.斎藤知事の見解

○経営状況は厳しく、公の施設としての役割には一区切りをつける時期

○民間譲渡を通じて有効活用、地域の再活性化へ

○百段苑・温室などは指定管理の継続で民間の創意を発揮

○従業員の雇用を最優先、安心して働ける環境を維持

○全体を一体的に運営、地域と連携して活性化を進める

○「淡路夢舞台」は地域整備事業という大きな負債を抱える事業の一つ。

これまでの県政にとらわれず、斎藤県政として大胆な改革を進める象徴的プロジェクト

8.まとめ

○公共主導から民間連携型の地域再生モデルへ転換

○自然・文化・観光を融合、「淡路ブランド」の再構築へ

○財政負担を軽減しつつ、雇用・地域活性・環境共生の三立を目指す再生方針

○「守り」から「創造」へ。震災復興の象徴から未来志向の資産へ

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