兵庫県政新聞
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2025/5/28 定例会見『特定外来生物防除への協力のお願い』

《要約》

特定外来種「ナガエツルノゲイトウ」と「クビアカツヤカミキリ」を見つけたら必ず県に通報
例年6月~10月にかけて対策が必要

【ナガエツルノゲイトウの概要】
• 国が特定外来生物に指定している南米原産の水生植物
• 田畑で繁茂すると作物の生育不良を引き起こすほか、ため池等の水面を覆い尽くして在来生物の生息環境を奪う
• 1シーズンで5mも成長する
• 乾燥に非常に強く耐塩性もあり、水生植物だが陸上や海浜でも生育可能
• すでに16の市町村で発生を確認(神戸、姫路、尼崎、明石、西宮、洲本、伊丹、加古川、西脇、高砂、川西、南あわじ、猪名川、多可、稲美、播磨)
• 平成元年に尼崎市で発見され以来、生息地を急速に広げている

【クビアカツヤカミキリの概要】
• サクラ、モモ、ウメなど主にバラ科の樹木に発生し枯死させる特定外来生物
• 成虫の体長は約2~4cmであり、光沢のある黒色で胸部(前胸背板)が赤い
• 幼虫は「フラス」という木くずとフンの混じったものを木の外に出す
• 幼虫が樹木の内部を食い荒らし、公園、街路樹、学校のサクラや果樹園のウメ・モモなどバラ科樹木の枯死、倒木等が発生する
• 成虫は樹皮に最大1,000個近く産卵(6月初旬~8月初旬)、車や鉄道に付いて生息地を拡大する
• 県内5市で発生確認(神戸、明石、西宮、芦屋、三田)
• 令和4年に明石市で初めて発見された

【見つけたら県に通報!】
どちらの生物も見つけたら必ず県に通報
◯ナガエツルノゲイトウ
わずか2mm程度の根の断片からも再生可能、下手に刈り取るとかえって増殖

◯クビアカツヤカミキリ
・成虫
殺虫剤をかけるか、靴で踏みつぶしてすぐにQRコードから通報

・フラス
触らず同様に通報
樹木に幼虫が生息しているので入念に駆除する必要がある

【啓発動画】
・県民への理解促進のため約60秒の啓発動画を制作

【外来生物拡大防止へ】
・特定外来生物が日本全体、兵庫県内でも急速に拡大中
・今後、生態系や農業への深刻な被害が懸念される
・生態系の保全に向け県民への協力を呼びかけ
・被害防止のため、正しい知識と適切な対応が求められる

《全文》

「特定外来生物の防除への協力のお願い-ナガエツルノゲイトウ・クビアカツヤカミキリの根絶に向けて-」です。

特定外来生物であるナガエツルノゲイトウやクビアカツヤカミキリが課題になっていますが、ナガエツルノゲイトウでいうと繁茂期、いわゆる茂ってくる期間、それからクビアカツヤカミキリの活動が活発になる時期が6月からになりますので、それぞれの外来生物を発見されたときの対処方法を県民の皆さんにお伝えしたいと思っています。
詳細については、啓発動画をそれぞれ60秒程度で作成しています。
今日は時間の関係で紹介しませんが、ぜひホームページなどで確認をしていただきたいと思っています。
まず、ナガエツルノゲイトウについては地球上最悪の侵略的植物と言われていまして、田畑で繁茂するといわゆる農作物を覆って生育不良を生じさせ、農業被害を発生させたりすると。
そして、ため池の水面も覆い尽くしてしまいますので、在来の固有の生物の生息環境も奪ったりするということで、農家を中心に影響が強く出ていることになります。
繁殖力、再生力が大変強く、わずか2mm程度の根の断片からも再生していきます。
乾燥にも強く、塩分にも強いので、陸上や海岸でも生息することになります。
初めて見つかったのが、国内でも初めてになりますが、尼崎市になります。
現在、県内では、神戸市、加古川市、南あわじ市、多可町、稲美町など16の市町で発生しています。
見つけた方は、刈り取りをしてしまうと逆に飛散してしまい、発生が広がってしまうことになりますので、ぜひ、見つけたら、触らずに県に通報していただきたいと考えています。
県と地元の市町などが連携してしっかり駆除等対応していくことを予定しています。
それから次のページがクビアカツヤカミキリの概要です。
主に桜の木を食い荒らしてしまう昆虫で、光沢のある黒色で胸の色が赤い生物です。
幼虫は「フラス」という木屑とふんの混じったものを木の外に出します。
幼虫が桜などバラ科の樹木に寄生し、内部を食い荒らして枯れさせてしまうと。
そして、倒木にも至ることが課題となっています。
こちらも繁殖力が大変強く、成虫は樹木の皮に最大で1000個近く産卵します。
県内では、令和4年6月に明石市内の公園で発見されまして、現在、神戸市など5市で発生しています。
こちらも被害の拡大を防ぐために、見つけたら県に通報をしていただきたいと考えています。
そして3ページですが、啓発動画の内容になります。
これは県民の皆さんにもお馴染みの、KissFMサウンドクルーのターザン山下さんにご出演していただいています。
それぞれ50秒から60秒ほどでご覧いただけますので、県や市町のホームページ、各種SNS、街中のデジタルサイネージなどで流していきたいと思います。
URLやQRコード(QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です)からもご覧いただきたいと考えています。
動画の構成は、危機に直面している現状から始まり、それぞれの生物の解説を行っていきたいと。
そして、発見をした際の対処方法の啓発、それから県への通報協力を呼びかける内容になっていますので、ぜひご覧いただきたいと考えています。
これら特定外来生物が日本全体もそうですが、県内でも急速に拡大していますので、今後、生態系や農業に大きな被害をもたらす可能性があります。
先手、先手の対策を打つために、動画でも今回お願いさせていただきますが、見つけた場合には県への通報を積極的にしていただくようにお願いしたいと思っていますので、よろしくお願いします。

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