兵庫県政新聞
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兵庫県

2025/5/20 定例会見『有機農業アカデミー始動!入学生の募集概要のお知らせ・プレコース募集の開始』

《要約》

【有機農業アカデミーの参加者募集】
兵庫県は経営として成り立つ有機農業を担う人材育成を目的とし、令和8年4月に県立農業大学校有機農業課程「有機農業アカデミー」を開講
令和7年8月5日、8月20日にオープンキャンパスを実施予定

【第1期生の募集要項】
・ 教育期間
1年間(通学制)
・ 定員
10名
・ 場所
県立農林水産技術総合センター敷地内(加西市別府町)
・ 願書受付
令和7年10月29日~11月17日・試験日時
令和7年11月26日午前10時~
・試験場所
県立農業大学校
・試験方法
筆記試験(小論文)、面接
・受験資格
高校卒業者または卒業見込み者(年齢制限なし)
有機農業に関心があり基礎的な農業技術、知識を持つ者

【カリキュラムの特徴】
1. 実践的な栽培技術習得を重視
・学生には個別のほ場(ビニールハウス、露地ほ場)が割り当てられる
・栽培実習を通じて1年間で有機農業技術を習得
・座学3割、実習7割の構成
・共通受講科目
野菜栽培各論、農業機械、病害虫対策など(180時間)
・専攻科目
有機農業概論、土壌肥料、生産工程管理など(240時間)
・実習
ビニールハウス・露地での栽培実習、先進農家派遣実習(1,035時間)

2. 先進有機農家との連携指導
・県内の先進有機農家と連携した講義、視察を実現
・農家派遣実習(184時間)により実践的な栽培技術を習得可
・在学中から先進農家や地域との関係づくりを行い、卒業後の円滑な就農や出荷をサポートする

【オーダーメイド型実習と販売関連講義】
1. 学生個々の希望に対応するオーダーメイド型実習
・全員が栽培する共通品目に加え、学生個々が就農後の経営を意識した品目を選択可能
・ビニールハウス
ほうれんそう、ミニトマト、スイートコーン、クロタラリアなど
・露地
にんじん、ピーマン、スイートコーン、クロタラリアなど
・選択品目
春菊、ちんげんさい、ベビーリーフ、サニーレタスなど

2. 流通・販売事業者による実践的な販売関連講義
・売り先に応じた販売手法や消費者が求めるもの等を学習
・実践的な有機農産物の流通・販売を習得するため、流通事業者等を講師に招聘

【プレコース募集】
有機農業アカデミー開講に先立ち、新設ほ場でのプレコースを実施
土づくりから野菜の栽培まで5回にわたる講座

1. 日程と研修内容(7月~12月の計5回)
・7月23日
有機農業における土壌・肥料の基礎知識/土壌調査、緑肥作物の播種
・8月12日
太陽熱養生処理の方法/緑肥刈取、太陽熱養生処理の実習、にんじんの播種
・9月17日
夏秋野菜(だいこん・かぶ)の栽培/太陽熱養生処理の効果確認、だいこん・かぶの播種
・11月5日
冬野菜の栽培/かぶの収穫、レタスの定植
・12月16日
有機農産物の流通・販売/だいこん・にんじんの収穫と出荷調整作業

2. 募集要項
・募集人数
20人(応募多数の場合は抽選)
・対象
有機農業を始めてみたい方、令和8年4月開講の有機農業アカデミーへの入学を考えている方
・募集期間
令和7年5月20日~6月30日
・受講料
無料(作業しやすい服装、長靴、軍手等は持参)

《全文》
1番目は、「有機農業アカデミー始動!~入学生の募集概要のお知らせ・プレコース募集の開始~」です。

兵庫県では、有機農業を含む環境創造型農業を進めています。一層の推進を目指しまして、令和5年に検討会を開設して施策の検討をしてまいりました。

検討会からは、有機農業をさらに拡大するために、県として、有機農業を担うリーダーを含めた人材育成を強化する必要がある、という提言をいただいたというところになります。

これを受けまして、本県で、令和8年4月に有機農業アカデミーを県立農業大学校の中に開設する準備を進めてまいりました。

このアカデミーは、実践的なカリキュラムに沿って知識や技術を体系的に学ぶことができる、有機農業の課程を設置するというものです。

経営として成り立つ有機農業を担う人材を育成しまして、有機農業の振興を図っていきたいというものです。

今回、有機農業アカデミーの募集概要、そしてカリキュラムが完成しましたので、その特徴を紹介したいというふうに思います。

また、併せまして、このアカデミーを体験いただくプレコースを7月から開催予定しておりますので、その参加者の募集もスタートしたいというふうに考えています。

1ページ目になりますけれども、この有機農業アカデミーの第1期生を募集するというものです。

募集概要は、ここに書かせていただいているとおりでございます。

1年制の通学制という形になります。

定員は10名からスタートという形になります。

願書は、今年10月29日から11月17日まで受け付けをさせていただきたいというふうに考えています。

入学試験は、11月26日に予定をしているというものです。

試験内容は、小論文と面接を予定しております。

受験資格では年齢制限を設けないということを予定しています。

1年間、実習のほ場を個別に管理していただくということで、基礎的な農業技術などを有している方が受験対象というふうには考えておりますが、幅広い方に応募いただきたいというふうに考えています。

8月5日そして20日には、農業大学校でオープンキャンパスを実施するということを予定しております。

カリキュラムの詳細や、整備中のほ場ですね、施設のご見学もいただきたいというふうに考えています。

詳細はこちらのQRコード(QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です)の方からご覧いただければというふうに考えております。

次のページですけども、有機農業アカデミーのカリキュラムの4つの特徴を紹介したいというふうに考えています。

まず1つ目が、実践的な栽培技術の取得のための実習を重視していくということになります。

実践的技術、栽培技術の取得を目指して、学生には個別に割り当てられたビニールハウスと露地のほ場の管理をしていただきます。このビニールハウスと露地ほ場が個別に生徒一人一人に割り当てられるという方式は、全国の農業大学校の有機農業過程では例のない方式だというふうに確認をしております。

実習が7割で座学が3割ということで実践を重視したカリキュラムを予定しているというものになります。

それから、2つ目ですけれども、先進的な有機農家と連携した指導体制の構築というものになります。

有機農業アカデミーには、農業大学校を含めて教員の方から教えていただくということに加えまして、県内で先進的な有機農家による講義や、派遣して実習をしていただくということを予定しております。

在学中から、農家の方や地域との関係性を構築することで、卒業後の円滑な就農や、生産、出荷というものをフォローしていきたいというふうに考えています。

それから3ページがカリキュラムの件についてでございます。

生徒個々の就農計画に対応するオーダーメイド型の実習を予定しております。

実習における栽培品目は、野菜の中から栽培技術を学ぶために、全員が栽培する共通品目というものに加えまして、選択品目として、学生それぞれが就農後の経営をイメージして品目を選択できる、いわゆるオーダーメイド型の実習を行っていきたいというふうに考えています。

そして4つ目として、流通販売事業者による実践的な販売関連の講義というものになります。

やはり有機農産物の生産のみならず、流通・販売を見据えて、これから自立していただくということも大事なポイントになりますので、そういった流通・販売を行っている事業者の方から、有機農産物の流通の特徴や販売手法、そして消費者動向などを講義いただいて、販売までを考慮した経営感覚を養成していきたいというふうに考えています。

詳しい内容については、アカデミーの開設準備室に問い合わせをいただければというふうに考えています。

そして、4ページになりますけども、プレコースの募集ということになります。

有機農業アカデミーの開校に先立ちまして、今年度は体験の研修としてプレコースを実施したいというふうに考えています。

ここに書いていますとおり、7月から12月の計5回を予定していまして、太陽熱を利用した養生処理のやり方、それから野菜の栽培流通に関する講義や実習を行いたいというふうに考えています。

これから有機農業を始めたい方、また有機農業アカデミーへの入学を考えている方を対象に20名を募集したいというふうに考えています。

申し込み方法は、農業大学校のホームページに詳細を掲示させていただいております。

受講料は無料ですので、興味のある方はぜひ申し込みをいただきたいというふうに考えています。

全国に先駆け、人と環境にやさしい環境創造型農業に取り組んできた本県におきまして、有機農業という切り口で、さらなる人材育成ができる環境を整えていきます。

生徒が個別にビニールハウスやほ場を管理するなど、全国でもここでしかない学びやプログラムを用意させていただいていますので、ぜひ全国各地から申し込んでいただきまして、本県の推進する人と環境にやさしい農業がアカデミーをきっかけとして一層拡大するということを期待しますので、ぜひ多くの方々のご関心をお願いしたいというふうに考えています。

《質疑》

日刊工業新聞:

有機農業アカデミーについてですが、他府県でこうした講座を開いている実績というものはあるんでしょうか。

それから、このタイミングで開設する理由を教えていただけないでしょうか。

知事:

農業大学校で有機農業のそういったコースを設けるのは、兵庫県が全国で4番目というふうになっています。

島根、埼玉、群馬、兵庫県は4番目という形になりますね。

兵庫県の特徴としては、先ほど少し触れましたけども、10名の生徒からスタートしますけれども、独自に、それぞれの方にビニールハウスと、それから露地ですね、いわゆる畑というものを個別に割り当てて、一人一人が責任を持って栽培管理を行うというようなプログラムを提供できるということが、兵庫県の大きな特徴だということになります。

それから、今回、令和8年度から開校ということになりますけども、これは、兵庫県はこれまでから人と環境にやさしいいわゆる環境創造型農業というものを推進してきました。

コウノトリの野生復帰に伴う、お米ですね、そういったものも1つの取り組みになります。

一方で、有機農業というものも、大変、県内各地でも盛んにされてきましたけども、やはり生産者のみならず消費者からのニーズが強くなってきているのが、この有機農業の分野ですし、大規模農家だけじゃなくて、中山間地ですね、そういった小規模農家を育んでいくという意味でも、この有機農業というものは、大変1つのポイントだというふうに考えていますので、この2、3年ほど準備をしてきまして、このたび、ようやくカリキュラムや実習のほ場が整備できる見通しになりましたので、令和8年の4月からスタートするということになりました。

神戸新聞:

項目内から、有機農業アカデミーの件ですけども、昨年の会見だと、定員が10名というところで将来的には20名ぐらいの規模にしたいというふうにおっしゃっていたかと思うのですが、全国から受講生を集めたいということで、全国から集める何か仕掛けみたいなものっていうのは考えていらっしゃいますでしょうか。

知事:

もともと有機農業をされたいという方は、新規就農の方に大変多いというふうに、本当にこれは肌感覚でも感じています。

躍動カフェなどでも、やはり農業をやられている方の有機農業の新規、特に若い世代の方の有機農業への関心というのは高いというふうに考えていますので、こういった形で、兵庫県が有機農業アカデミーを開催していくということを、やはり様々な形でPRしていくということが大事だと思いますので、もちろん農林水産部の方で、これから農業関係の方含めてPRをしていきたいというふうに思いますし、今回、夏にプレコースを開催しますから、この開催の周知などを通じて、この有機農業アカデミーそのもののことを知ってもらうというきっかけですね、それはやりながら、より効果的なPR方法とかというものも改善しながら、やっていくということが大事だと考えています。

日経新聞:

物価高騰対策も、今、第一でおっしゃっていただいたところは、前回はおっしゃっていなかった、それは追加でやろうかなというところですか。

知事:

やはり特に、昨日来、報道等でも出ていますけども、やはり米の価格ですね、倍近くになっているということとか、やはり県民の生活を直撃していますので、県としてできる限りのことを、十分ではないかもしれないですけど、やっていきたいというふうには考えています。

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