令和7年度ひょうごTECHイノベーションプロジェクト
~スタートアップの力で社会課題を解決~
1. 状況、目的
◎令和4年度に開始、今年で4回目
◎自治体の社会課題をスタートアップ等の革新的技術とマッチング、実証実験(PoC)を通じて課題解決を図る
◎成果は県内の市町、他自治体・民間企業にも横展開。
◎兵庫県を「社会課題解決型スタートアップの中心地」に育成することを目指す。
2. 進め方
◎課題の募集(自治体)
県内市町や県庁部局が具体的な社会課題を提示
◎解決策の提案(事業者)
IoT・AI・アプリ・仕組みづくりなど、具体的な解決方法を応募
◎選定・採択
単一枠
課題1件につき1事業者
複合枠
1テーマに複数事業者
実証実験の実行(県・市町・事業者で協働)
効果検証の費用を一部補助
(上限50万円・補助率1/2以内)
成果の横展開
成功すれば他市町や民間企業でも導入・普及
3. 募集する課題(今年度)
◎単一枠(8件)
①鳥獣被害対策(丹波篠山市)
②自転車盗難防止(伊丹市)
③高齢者買物支援ボランティアの効率化(加西市)
④医師不足への対応(姫路市)
⑤特殊詐欺の未然防止(県警・県民生活部)
⑥有機農産物の需要拡大(農林水産部)
⑦駐車場の不正利用防止(まちづくり部)
⑧看護師業務の効率化・DX(県立はりま姫路総合医療センター)
◎複合枠(2テーマ・6課題)
①【三木市】
子育て支援の担い手育成とマッチング
②【朝来市・南あわじ市・県土木部】
インフラ維持管理の効率化(遠隔監視・作業最適化・日報自動化等)
4. 募集概要
◎期間
令和7年7月23日(水)~9月1日(月)
◎対象事業者
県内に拠点(本店・支店)、またはコワーキング契約あり
◎補助
経費補助 上限50万円(補助率1/2以内)
◎結果発表
10月予定
◎応募方法
専用Webサイト
5. 成果と事例
◎過去2年間の実証15件のうち86%(13件)が導入・横展開。
【例】
鳥獣被害対策(新温泉町)
→ 教育委員会・大手電力会社が導入(約2,000万円規模)
ATM詐欺対策(県警)
→ 翌年度に調達(約400万円)
介護記録のAI支援(多可町)
→ 調達検討中
6. 今後の方向性
◎新しい技術・仕組みで社会課題に挑戦
◎成功事例を県内外に広げ持続的に課題解決を図る
◎兵庫を「公民連携で課題を解決する先進地域」へ
「令和7年度ひょうごTECHイノベーションプロジェクト事業者募集開始」です。 既に何度もご説明しており、今回で4回目になりますが、ひょうごTECHイノベーションプロジェクトは、自治体の抱える社会課題とスタートアップ事業者等をマッチングし、課題解決を図り、実証で得られた成果を県内の市町、それ以外の自治体等にも横展開していくことを目指すプロジェクトで、令和4年度からスタートし、先ほど申し上げたとおり、今年で4回目を迎えます。 市町等が抱える社会課題を募集し、この度選定を終えましたので、ともに課題解決に向けて実証実験を行う事業者を募集します。 2つ枠があり、単一枠と複合枠になります。 今年度、事業者を募集する課題は、1つの課題に対して、1つの事業者が参画する単一枠として8件を選定しました。 例えば、丹波篠山市からは農業者の鳥獣被害に関して、防護柵の修繕やコストの負担が重くなっているという課題がありましたので、それに対する事業者からの新たな提案をマッチングしていくということ、伊丹市においては、自転車の盗難が増加しているという課題があり、その抑止策の提案をしてほしいということになりました。 県民生活部と県警本部からは、特殊詐欺の未然防止策の提案があり、スマートフォンを悪用した警官かたり等、手口が巧妙化していますので、その対策になります。 農林水産部からは、有機農産物の需要拡大に向けた仕組みづくりです。 県立はりま姫路総合医療センターからは、看護師の業務効率化など医療現場のDX化に関する提案をいただきました。 これら8件を今回、単一枠ということで選定させていただきたいと考えています。 また、複合枠は昨年度から設けた仕組みになります。 1つのテーマに対して、複数のスタートアップが参画し、課題解決を図っていただくことを予定しています。 昨年度、複合枠に取り組んだ市町からも高い評価をいただいています。 今年度の複合枠は、2つのテーマで6件の社会課題を選定しました。 1件目が三木市になります。 三木市からは地域住民参加型の「子育て支援」をテーマに、地域住民を支援人材とするために、乳幼児の方の寝かしつけ等のスキル習得プログラム等の提案がありました。 朝来市、南あわじ市、土木部からは「人手不足時代を見据えた道路や橋梁等のインフラメンテナンス」をテーマに、省人化を図って、どのように安全安心を確保するかについて提案していただくことを予定しています。 募集期間は、明日7月23日から9月1日までで、対象事業者は、県内に活動拠点を有する事業者としています。 選定された事業者には、上限で50万円、補助率2分の1の経費補助を行います。 選定結果は、10月に発表予定です。 Webサイトから申し込みいただきたいと考えています。 本事業のこれまでの成果ですが、令和4年度から令和5年度に実施した15件の実証のうち、8割を超える13件が、市町での公共調達やその他市町、民間企業等で横展開をされています。 具体的には、令和4年度に新温泉町で実証した「学校敷地内での鳥獣被害対策」は、超音波と光を組み合わせた動物忌避対策の実証事業ですが、新温泉町の中学校で実証実験をしたところ、鹿の糞が劇的に減ったという効果が出ましたので、新温泉町の教育委員会が引き続き配備を現在も継続しています。 それに加えて、大手電力会社が風力発電の装置の周辺に鳥獣被害として、おそらくイノシシや鹿が寄り付いてくることがあり、約2000万円かけて導入することに繋がりました。 また、令和5年度は、県警本部で実施をした「ATMの振り込みによる特殊詐欺対策」は、予兆電話の検知時に周辺に注意喚起を行う実証実験で、令和6年度に県警で調達を行っています。 令和6年度の実証は、令和7年3月に終了したばかりですが、令和6年度の18件のうち、既に8件で公共調達等の成果があります。 社会課題の解決については、一筋縄ではいかないものが多いですが、これまでの取組みではない新たな取組みのツールを使って、実証実験をしていく。 そして、もし上手くいったり、手応えがあれば、他の市町や民間事業者等に横展開をしていくことが大事だと思っています。 引き続き、公民連携の取組みにより、ひょうごTECHの仕組みを生かし、兵庫県が社会課題解決型スタートアップの中心地となるような施策を展開していきたいと考えています。 今年度も、引き続き様々な事業者の皆さんの挑戦を楽しみにしていますので、よろしくお願いします。